初アルバム「焔心の砦」
- 〝美根〟 STAFF
- 2023年11月17日
- 読了時間: 11分
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焔心・・・炎の中心部。まだこれから燃えていく透明な部分
〝美根〟セルフライナーノーツ
~光あるものは光ある物を友とす~
アルバム『焔心の砦』に込めた思い決意も、孤独も、挑戦も、闘いも、狂気も、愛も、寂しさも、全てここに詰め込んだアルバム。伝えたいこと、気づいてほしいことが多くて気が付いたらフルアルバムができました。もともとは今の時代の流れで、アルバムを作るというよりは1曲ずつの世界を高めようとレコーディングをスタートしました。制作してサウンドが構築していく中歌詞を詰めていたら1曲1曲のビジョンが見えてきて、私は何者なのか、〝美根〟の多面的で深淵な世界 を多くの人に知ってもらうために、アルバムを出そうと決めました。何人かの人になぜ今アルバムを出すのか?と聞かれました。私自身がっつりアルバム世代ではないですが、アルバムという一つの作品としてお届けするのが、私を知っている人が世の中に少ない今、一番良い手段と思いました。
〝美根〟として活動してきた約1年半の私の、決意も、孤独も、挑戦も、闘いも、狂気も、愛も、寂しさも全て、ここ に詰め込みました。きっと共感してもらえる世界だと思います。 収録楽曲には、私が中学生の時に作った曲や、ライブで披露したことがある曲もありますが、改めて今の私の世界で、サウンドも歌詞もブラッシュアップしました。すごく “今” 必要なものを込められたと思っています。 そんな今の私の世界に一緒にブラッシュアップしていってくれたのは、素晴らしいメンバーとスタッフ、通称、美根ʼ s のみんなです。唯一無二のうねりと込み上げる感情を描いてくれるカナミネさんのベース、凛々しい正しさと野生的なパワーで強く押し上げてくれる大塚さんのドラム、豊かな音の表情でロックに力強く聴く人を誘い込んでくれる原田さ んのギターこの4人には本当にいつも支えられています。そして今回も、空間をまとう心震わす響きで包み込んでくれる武藤さんのバイオリン、時に寄り添って時に鋭く突き抜 ける華やかな広がりと感触を加えてくれる真之輔さんのトロンボーンがあり、今回新たにサウンドをより重厚に気高く、 新たな煌めきをくださった、ただすけさんのキーボード、更なるスピード感と楽曲にリズミカルな個性を加えてくださ った KAZ さんのドラム、みんなの音とアイデアが重なり合って築きあげたサウンドです。 そしてそのサウンドを的確にまとめ上げ、鮮明なアイデアで美しく撚り合せ完成に導いてくださったエンジニアの宮崎さん、みんながいて、この『焔心の砦』という一つの大きな世界を創り上げることができました。たくさん無理を言っ てわがままを言ってこんな満足いくアルバムができて幸せです。
『焔心の砦』に込めた思いは、まだまだここから強く燃えていくということ、そしてそれを守る砦、その温かさを感じてもらえればと思います。私の唄がある場所は、絶対的な揺るがない素敵な場所であり、強固な砦で守っています。 私が臆することなく光を強く放てば、より多くの人に私の世界を知ってもらえる、届けられると、まだまだ愚かなほど に自分を信じています。 すごいアルバムができたと自分で何度聞いても思います。こんなに自分の作品から自信をもらえるとは思ってなかった です。今の私の純度の高い世界がこのアルバムです。
「電波塔」
アルバム『焔心の砦』への幕開けの1曲目として世に送り出した曲。不確かで不鮮明な世界で、何度繋がりが途切れたとしても、何度でも繋げば良い。独り言のような呪いのようなあきらめのような “ずっとこのままさ” は、実は私の覚悟です。鮮やかな思い出がずっと続けば良いと思いながら、実際はそんな思い出を恨めしく羨ましく思い浮かべながら過ごすことをただ繰り返していま した。この曲を書き始めたきっかけは、大事にしていた思い出を壊された悲しさと怒りの感情でしたが、そんな後ろば かり振り返る自分を、この曲で永久に葬り去るためにたどり着いた曲です。皆さんも過去を振り返ってしまうこと、た くさんあるはず。そんな時にこの曲を聞いて自分に立ち返ってみて欲しいです。袋詰めの電波塔は発信する言葉を忘れた巨大な亡霊。風が吹きギシギシと鉄の音をたてる。そんなゾッとするような、でも挑み甲斐のある光景、その荒れ果てた世界をサウンドでも魅せてます。気骨のある、力強く地面も震えるようなバ ンドサウンドを核に、包み込む空間を強烈に押し広げてくれてるキーボードサウンド。新たな世界のお披露目です。
「青い爪」
ここ数年ライブの時は爪を青く塗っています。リハーサルを経て本番までにずいぶん剥がれてますが・・・。その青い 爪をモチーフに、闘いに挑む決意を込めた曲です。最初の一節の歌詞とメロが同時に湧いてきて、そこから書き始めま した。ライブで披露していく中でどんどん進化していきましたが、アルバム収録にあたりさらなる進化を遂げました。 闘いの生々しさをサウンドにも歌詞にもプラス。ライフコースという言葉を入れましたが、これは学校の授業で習った 私とは今のところ縁のない “何歳の時に働き出して結婚して子供を産んで・・・” という平均的とされている流れのこ とです。でも現代で多くの人は、そういう誰が決めたかわからない〈普通〉と言われている人生ではない、〈自分の人 生〉を突き進んでると思います。この曲を聴いて、それぞれのライフコースで自信を持ってエネルギーを燃やしてほし いです。
「本当は人魚」
〝美根〟の創り出す世界を表現した1曲。劣等感を強さにできる場所を探し出すための曲です。人より劣っていると 感じる部分を、今いる場所のせいにするのではなくて、自分で道を切り拓くための力にできるように、自分にも言い聞 かせながら届ける曲です。「私は人魚だからみんなとは違う、今いる場所で頑張っても意味がない」という言い訳を唄っ ているのではありません。自分の姿を知り、生きていく場所に向かって覚悟を決め、痛々しくても苦しくても地上を這 って進むのです。サウンドはアバンギャルドな世界になっています。この曲で伝えたい世界を、深く力強いサウンド、 尾ひれをのたうちながら引きずりながら、でも確かに進んでいく熱いサウンドのうねりを感じてもらえます。今の心の 中をかき乱して新しい世界を一緒を観て感じてほしいです。 「バスタブ・タイムワープ」
誰かのことをとても大切に思うとき、同時に私の中にたくさんの脆さが押し寄せて、いずれやってくる別れの時を考え てしまう。もしその時が今やってきたら? 無闇に悩んだり寂しさを感じたりすることはない、囚われなくて良いんだ という気持ちと、時間を忘れて、何度も二人の思い出を繰り返し思い描く頭の中。一方で、窓の外で時間が流れて変わ っていく記憶の景色を洗い流すバスタブの中から見続けている、矛盾した姿を思い描いて書きました。何も解決できな くても、今はただ身を委ねて。サウンドは、ひとりぼっちの世界からだんだんと思いが広がっていくような景色を感じ てもらえる世界観です。少し冷たさを感じる機械で作られた音と、豊かでふくよかな音、そしてさらに世界に没入でき る音を打ち込んで重ねました。めぐる景色と混沌とした気持ちがどこまでも深く湿度を持って広がるサウンドになって います。この曲に身を任せてほしいです。
「砦」
アルバムのタイトルにもついている「砦」。この曲は今の私の砦です。作ったばかりの時、この曲はもっと私の弱さや ナイーブな部分を書いていました。曲のテンポ感ももっとゆっくりでバラードよりでした。今回そんな私の砦に人を招 きたい、そんな思いから、さらにブラッシュアップしました。「砦」は強く揺るがない場所になり凛とした世界をお届 けできる曲に進化しました。歌詞の構成や雰囲気自体も進化させたことで、今の私の考えも大きく強く成長したと思っ ています。この曲を確実に届けたい “君”、多くの応援してくれるみんなと出会えたからです。淡々と、そしてエモーシ ョナルなバランス感も最高のメンバーがより表現してくれて今出すべき曲になりました。心無い言葉に心臓の音が早ま ってしまう人に、安心できる場所として聞いてほしい一曲です。
「まぶしい宇宙」
最初、アルバムの最後の締めであり、次に向かう余韻の一曲に仕上げよう、そんな話し合いをしていたのですが、カナ ミネさんが作ってくれたサウンドトラックのアレンジが素晴らしくて、どんどん眩しく輝き始めた曲です。テンポが変 わるところから本当に宇宙が壮大に広がります。この曲は、二人の子供が大人が決めた世界から抜け出して、自分の中 の宇宙を見つける唄です。眩しくなるほど健やかな世界。この瞬間だけは、とても自由で美しい。そんな世界です。健 やかな心で、ぜひ一緒に夜空を見上げて聴いてほしい曲です。 「メリーゴーランド」
この曲の歌詞は、私の頭の中の妄想で完結させた曲です。何もない狭い部屋の中の曲を書きたいと思い始めたのが最 初で、そこから妄想を膨らまして書いていきました。サビの歌詞とメロディの高揚感の両方による相乗効果がとてもお 気に入りです。サウンドアレンジはさらにドラマチックに、細部のリズムのキメ(特に2番の B メロ)などにもこだわ って築き上げました。レコーディングにあたって歌詞や構成もブラッシュアップして、〈なぜメリーゴーランドなのか〉 ということも、情景も鮮明になりました。エンジニアの宮崎さんが、その私の想いをより反映させてくれました。
「花言葉」
とても強い深い、もしかしたら愛し方を間違えた愛の歌なのかもしれません。 この曲を書くとき、私の中にあるライトな狂気を元に書き始めましたが、今回レコーディングするにあたり、さらに、 ずぶずぶにのめり込みながらブラッシュアップしました。好きな人を自分だけのものにしたい、もっともっと自分だけ のものにしたいという気持ち。好きな人が悲しんでポロポロ涙を流す姿だって見たくてたまらない。頭の中だけで描く、 より深い愛を、この曲で品よくぶつけました。 サウンドに関しても、よりマッドなイメージでレコーディングをお願いしました。イントロの世界から最高な味わいが 滲み出てきて、華やかだけど乱暴な愛が見えてくるサウンドになっています。 映画で狂人を主人公にした映画を見ると、難しいなぁと感じます。狂人自身は自分が正しいと思っているから。その矛 盾がある中で進む物語は、どの視点で語られるべきかが難しくて描き甲斐があります。
「syrup」
生活と幸せを貪欲に追い求める気持ち。色々なニュースが毎日飛び込んできます。自分のことで精一杯で、何も考えた くない日もあります。〈世界がこういう仕組みだから仕方がない〉〈もっと苦労している人がいる〉〈もっとこうしたら 良いのでは?〉〈馬鹿はすっこんでろ〉と話し合いが中断される世界。いろんな考え方を、否定し合うのではなくて、 〈そういう考え方もあるよね〉〈それいいね!〉と考え方を試してみたりして、自分自身の考え方もいつだって更新する ことが素敵なんだと考えます。自分の心身の幸せを妥協せず追い求めて良いと思います。甘い方に流されてしまわずに、 自分に不都合でも苦い現実を見つめること。何を信じるかは自由。私は自分を信じてます。スピード感のあるバンドサ ウンドのイメージを最初から頭に描き、曲を作り始めました。そしてレコーディングによって瞬発力や爆発力を増しま した。この曲でいろんな気持ちを解放・発散してほしいです。 「手を放して」
お互いに大切に思っている人との、成長のために必要な別れを描いた曲です。 本当はずっと一緒にいたいし、いることもできるけど、それぞれに次に向かうための門出。 この曲は、中学生の時に書いた曲です。クリーム色にモヤのかかった優しい世界、その中で咲く赤い花、そんな世界観 をレコーディングに向けてより鮮明に、別れなんだけど、また次に会うための一歩、という想いを丁寧に込めました。 サウンドに関しても、様々な思いを巡らせながらも確実に歩んでいくイメージで、優しさだけではできない〈別れ〉と いう決断を胸に、進んでいく強さも込めています。
「この世界に」
自分の生きていく世界のために、力を溜め、決意していく、力強く生きていくための鼓動を楽曲につめ込みました。同 じ場所にいても、同じことをしていても、同じ目標に向かっていても、私たちはそれぞれ色々な方向を向いています。 成長していく中で、自分だけに見えてくる景色が現れて、さらにその先を目指して進んでいかなければならない時、他 の人たちと全く違う方角だったとしても、覚悟を決めていかなければならない。決心するときは、いつだって一人です。 孤独かもしれない。でもどんな人も一人で辿っていくその先を見定めないといけない時がやってくる。この曲を聞いて、自分の決断を信じて欲しい。目標とする場所を知って、自分だから見つめられる景色に進んでいく。私の死ぬまでのテーマであり、私の弱さと自分を強く奮い立たせる、活動の序章としての曲です。
「零れる光」
2022 年の1月に開催したワンマンライブに来場してくれたお客様に最後お届けした曲。 差し込む【光】は心を強くしてくれると思い、〝美根〟に改名する私のテーマにしました。 少し疲れていたり、疲れていることに気がついていない人や、頑張りたいのに頑張れない人、自分の限界を決めつけて しまっている人の力になって欲しいです。 私が導く道の先には素晴らしい世界が待っていることを確信させたいと、思いを込めた曲。 サウンドアレンジには私の想いをより強い形にしてもらうため、みんなにより強い【光】を込めてもらいました。一斉 に音をだして、録音をして、音を重ねて、重厚な複雑さを持つ、唯一無二の、バランスとかっこよさになってます。 曲を最後まで聞いてもらった時にみんなが自然と上を向ける曲です。
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